新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い致します。
履正社は昨年、学園創立100周年を迎えました。大正・昭和・平成・令和と4つの時代を歩んで来られました。一重に卒業生の皆さんをはじめ、地域社会や関係各位に助けていただいたお陰での歴史です。心から感謝申しあげる次第です。
100周年記念行事・式典・祝賀会の開催や、HPサイト・印刷物の制作などに多くの卒業生の方々に、物心にわたるご協力をいただき深くお礼申しあげます。それぞれ立派に成長された姿を拝見するのは本当に嬉しい限りです。全ての卒業生御一人おひとりが履正社の財産そのものです。皆さんの母校への熱い想いに心を致すとき、改めて身が引き締まる思いです。
卒業された皆さんの中から、「校訓である『履正不畏』の精神について、在校時代よりもむしろ卒業してからの方が改めてその意味を吟味するようになった」。こんな話をよく耳にすることがあります。校訓の第一綱領「履正不畏」は、「自ら正しいと信ずるところを、何ものも畏れずに正々堂々と実践する」という意味であることは皆さんご存じのとおりです。人生で迷ったとき、何かを選ばなくてはならないとき、最終的に決め手となる「正しいと信じることを実践する」という校訓の精神を拠りどころに背中を押されるという声です。
社会に出た卒業生たちが「履正不畏」の意味を噛みしめてくれているのは誠に有難い限りです。中には座右の銘は「履正不畏」という人や、自分の部屋の壁に「履正不畏」の額を掛けたいので、理事長室にあるのと同じ書体のものを送ってほしいという人もいます。このような依頼には喜んでお応えしています。
さて、今月の理事長だよりの後半に、2022年12月6日、大阪ロイヤルホテルで開催した「学園創立100周年記念祝賀会」での私のあいさつを掲載します。学園に関係する全ての方々に対して述べたつもりですので、ご一読くだされば幸いです。
「ご来場のみなさん、ようこそにお越しくださいました。一言ご挨拶申しあげます。1922年、「大大阪」と言われていた頃の商都大阪で、創立者釜谷善藏が大阪福島商業学校を開校して爾来100年、平穏な日々もあれば危急存亡の時もありました。
先月、浪商学園さん、四天王学園さんの同じく100周年の祝賀会がございました。私も出席させていただきましたが、どの学園にあっても100年という歳月は筆舌に尽くし難い波瀾万丈の歴史があります。履正社の100年もまた、目を瞑ればまさに幾星霜の感であります。迫り来る大波に翻弄されながら、船首を立てて今日まで大海原を航海して参りました。
ダーウィンが言ったかどうかは諸説ありますが、強いものが生き残るのではなく、変化に対応して変われる種こそが生き残る種であるのは本当だと思います。
その時代ときどきの、社会の要請に応えることが私立学校の真骨頂です。社会の変化に対応して変えるべきもの、変えてはならないもの、「不易と流行」のバランスこそ要諦と肝に銘じておるところです。
いささか手前味噌で恐縮ですが、前理事長、釜谷行藏学園長によって履正社現在の基盤がつくられ、中興の祖であることは、大阪の私学人なら誰もが頷かれるところかと存じます。その後を受けて私が理事長を拝命したのは2019年で、まだまだ3年半を過ぎたところでございます。
しかし、時代がどのように移り変わっても教育の目標は「生徒たちが生きる力を身につける」ことです。これこそ変えてはならないものと常に心に銘じ、次なる200年に向け学園を挙げて一日一日積み重ねて参る所存です。
また、今日の履正社は、本日お集まりの皆さまをはじめ多くの方々に支えられてこそ今日に至り、そして未来へと続きます。誠にありがたく感謝の念に耐えません。
本席は、日頃のご厚情への御礼としてのささやかな宴の積もりです。時間の許す限りお寛ぎ頂き、ご歓談賜われば幸いでございます。また、何かと不行き届き失礼の段あるかとは存じますが、
慶事に甘えお許しくださるようお願い申しあげます。
最後になりましたが、日頃のご厚情への感謝と、今後とも、よろしくお付き合いくださるよう重ねて願い申しあげ、本日ご来駕の御礼と致します。誠にありがとうございます。」