「あなたは自分のことをどう思っていますか?」。
「自分自信を信じていない」「不安な気持ち」。日本の若者は海外の同世代に比べ、自己肯定感が低いという調査結果があります。
内閣府の「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」(平成30年11・12月調査)によるとアメリカ、ドイツ、フランスなど7か国の13~29歳の若者を対象とした意識調査で、「自分自身に満足している」との質問で「そう思う」または「どちらかといえばそう思う」と回答した割合は、アメリカ87%、フランス85.8%、ドイツ81.8%と高い数値となりました。お隣の韓国が73.5%だったのに対し、日本はなんと45.1%と半分以下という結果でした。
また、「自分には長所がある」と思っている若者は、ドイツ91.4%、アメリカ91.2%、フランス90.6%、韓国74.2%に対し、日本は最下位の62.2%でした。しかも「長所がある」と思っている人は平成25年の調査よりも6.6ポイント下がっている結果となりました。
ちょっと寂しいですね。自己肯定感の意味を調べると「自分のあり方を積極的に評価できる。自らの価値や存在意義を肯定できる感情」と出てきます。「ありのままの自分を評価できる」というとイメージしやすいでしょうか。
昨年末の12月22日、本校スポーツ外国語学科のトークイベントで、2019W杯ラグビー日本代表のリーチ・マイケル主将が来校してくれた事は、先月3月号の「理事長だより」に書きました。その際スランプを乗り越えるには、「先ずスランプだということを素直に自分で認識すること」。「ありのままの今の自分を受け入れる」ことが大切だ。というアドバイスを熱く語ってくれました。
日本代表のキャプテンであったリーチ選手は、自己肯定感の強い人でしょう。そんな彼が、「ダメだから仕方がない」と開き直るのではなく、ネガティヴなことであっても事実をまず「認める」ということが大切だ。「認める」というのは、今、自分はその状態(この場合はスランプ)であるということを「認識する」ことだ、と言うのです。
この感覚は、
「自分はスランプだ」と感じていることを
「『自分はスランプだ』と、今、自分はそう思っている」
と、感じられることであり、自分の今を、そのように評価することだと思います。そのように思えたら、やがて、冷静に見ている自分自身を感じ、客観的になれるかも知れません。脱出につながるヒントに気付くための入り口といえるでしょう。
自己肯定感が低い人は、言い換えれば強烈なスランプともいえるので、リーチ選手のアドバイスを思い出し、自分の弱い部分や否定的な部分を受け入れて、先ずは「そのとおりだ」と認め、「ありのままの自分を評価」する。もちろん良い部分や肯定的な部分は「長所があると積極的に評価」して、自分自身にもっと満足して欲しいと思っています。
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余談ですが「ありのままの自分を評価する」と書いて、名曲「アナと雪の女王」の主題歌「レット・イット・ゴー~ありのままで~」を思い出しました。改めて歌詞を見てみると「とまどい 傷つき 誰にも 打ち明けずに 悩んでた それももうやめよう ありのままの 姿みせるのよ ありのままの 自分になるの」から最後は「これでいいの 自分を好きになって これでいいの 自分を信じて 光 浴びながら 歩き出そう 少しも寒くないわ」とあります。この自己肯定感。世界的に大ヒットしたわけです。