若い人たち全員がそうだという訳ではないでしょうが、多くの若者たちの間ではいま、映画、ドラマ、本なども、事前に結末を調べてから観たり読んだりする、いわゆる「ネタバレ」がトレンドらしいですね。以前NHKの『所さん!大変ですよ』という番組で紹介されていました。もちろん、OK派とNG派に分かれるのでしょうが、Z世代(生まれたときからインターネット環境が当たり前のようにある最初の世代)では増える傾向にあるそうです。
私は「ネタバレNG派」です。物語の結末があらかじめ分かってしまうなんて面白さが半減。どうなるか分からない、どんでん返し、ハラハラどきどき感が楽しいのであって、結末ありきなんてあり得ない。ミステリーものはどうする?先に犯人が分かってしまったらミステリーの意味がありません。
今年「ファスト映画」といって1本の映画を10分に要約しサイトにあげた運営者が、著作権の問題で摘発されていました。これも「内容や結末を確かめたい」という「ネタバレ」ニーズを狙って始められたのでしょう。
「ネタバレOK派」が増える原因は、Z世代では「ショッキングなシーンで感情を揺さぶられたくない」「後悔せずに観終わりたい」等々、先の分からないことや想定外のことが起きて気持ちがアップダウンすることはある種の「ストレス」で、そんな「失敗をしたくない」というのが最大の理由とのこと。
私が若かった頃に比べて、欲しい情報を簡単に手にすることができる今、分からないことは考えるよりも先に検索するのが当たり前のようになっていますよね。情報をうまく活用して失敗しないように工夫したり、効率よく最短でゴールにたどり着けるのは確かに便利なことです。
けれど「失敗をしない」を日々の娯楽など、なんでもかんでも求めるのは少々味気ない。失敗の中から経験で身に付いていくものも多くあります。「期待外れ」も経験ですし、「思ったほどでもなかった」と言ってぼやくのもそれはそれで楽しかったりします。案外、後から「好さが分かった」り、「そんなもんよ」と思える余裕も必要だと思うのです。
かく言う私も、グルメサイトでお店を選ぶとき、クチコミを見てCheckしています。え、もしかして「ネタバレOK派」?・・・。