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理事長だより

vol.48「甲子園 履正社旋風を再び!」

春がやって来ました。そして履正社高校硬式野球部のナインが、今春のセンバツ高校野球大会で甲子園のグラウンドに立てる日が再びやって来ました。

思い起こせば3年前の春も、前年夏の全国制覇に続き夏春連覇を目指して出場を決めていました。そこで起きたのが、新型コロナウィルスによるセンバツ高校野球大会中止の決定でした。あの時の選手たちは計り知れないほどの悔しさを味わったに違いないと思います。今大会では先輩たちの思いも引き継いで、溌剌とプレイしてくれると期待しています。

高校野球は運営に携わる様々な方たちの力の集大成で開催されていますが、そのひとつが甲子園球場を管理する阪神園芸株式会社によるグラウンド整備の力です。雨で中断したときや試合の合間に、トンボやコートローラーと呼ばれる機械でグラウンドを整備する姿がときおりT Vで映りますね。その技術力は「神整備」と呼ばれるほど高度なものだそうです。同社でグラウンドキーパーの第一人者である金沢健児さんは、『「水はけがよく、水持ちがよく、弾力がある」「選手たちの邪魔をしない」それが最高のグラウンドである。野球は、走る、ふんばって投げるという「足」の動きにも比重がかかる。そのため走りやすい、ふんばりやすいグラウンドを用意できればプレーの質があがり、選手に怪我をさせない』と著書の「阪神園芸 甲子園の神整備」で述べています。

著書によると、グラウンドには深さ約30センチの土を敷くことで弾力性が生まれるとのこと。「日本一イレギュラーバウンドが少ない」と評される高いレベルを維持するために、土をできるだけ頻繁に掘り起こす。そのうえ年に一度、1月、2月のオフシーズンに「天地返し」といって25センチほど深く掘り起こして上と下の土を入れ替える。掘り起こした土がよい状態の固さになるためには、まとまった雨により土が水分を含み、少しずつ蒸発していくという自然の力が必要となります。次に人間が整備してベストな硬さにするのですが、いつ作業をするのかそのタイミングが難しい。金沢さんが「土は生き物」と言う所以で、天候や外的要因により年によって土の状態は異なる。それは計測器で測れるようなものではなく、最終的には人間の勘、土を踏ん張った感覚を頼りに見極めるらしいのです。

来年開設100周年を迎える甲子園球場。グラウンドの土には試行錯誤を重ねつつ、代々受け継がれてきた技術と経験が生かされている。「何度も幾度も天地返しをして、働いてもらっている土だ。開設当初からの土、つまり一世紀ほど前の土も現役で活躍しているはずである。」と金沢さんは語っています。100年の間、数々の名勝負、名選手を生んだグラウンドには、それを維持するプロフェッショナルたちの歴史と、並々ならぬ熱意がこもっていることを知りました。

本学園は阪神園芸さんとご縁があり、例年、履正社スポーツ専門学校 北大阪校・野球コースのグラウンド整備等の実習生として受け入れていただき、幾人もの卒業生が就職しています。その意味でも、金沢さんに続くような名人となり、甲子園のグラウンドで活躍してくれることを祈っています。

高校野球を支える方々はたくさんおられます。みなさんの力に感謝しつつ、3年ぶり10度目の春の甲子園でのチャレンジ、アルプス席での応援、吹奏楽部やチアリーディング部のパフォーマンスにも期待しています。

履正社旋風を再び!

【参考引用資料】

■「阪神園芸 甲子園の神整備」(金沢 健児著・毎日文庫刊)

■2019年履正社対明石商業戦 阪神園芸

1時間遅れで始まった甲子園準決勝第1試合 『阪神園芸』の対応に、称賛の嵐 – grape [グレイプ] (grapee.jp)

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