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RISEISHA JOB ILLUSTRATED BOOK

RISEISHA仕事図鑑

Narsing Care Trainer

06

介護予防トレーナー

働くところ

・高齢者施設
・介護福祉施設
・スポーツ施設

ジャンル

・介護福祉
・スポーツ

目指す資格

・健康運動実践指導者
・介護予防運動トレーナー

どんな仕事?

高齢者が要介護状態になることなく、いきいきと健康的に日常生活が過ごせるよう運動指導を行います。介護予防に必要な知識を習得し、高齢者の身体の特性を理解した上で、運動プログラムを作成。また、施設内で安全に運動が行えるようサポートします。


どんな風に働くの?

デイサービスや老人ホームで働くケースが多く、運動指導のほかに施設利用者の送迎補助、歩行介助などの業務を行うこともあります。施設によっては医師や看護師、ケアマネージャーといった医療・福祉関係のスタッフと連携しながら利用者の健康と安全を支えます。スポーツジムに所属し、介護施設等へ出張インストラクターとして出向く働き方もあります。


どんな知識、経験が必要?

認知症、失禁といった介護予防における基本的知識と、転倒予防、筋力向上トレーニングなど運動指導の知識・技能を習得する必要があります。大学や専門学校のスポーツ、保健、福祉系の学科を卒業していると有利です。人生の先輩でもある高齢者に敬意をはらい、気持ちに寄り添えることは必須条件ともいえます。


資格について

必須資格はありません。ですが、医学的基礎知識、運動生理学の知識を備え、安全かつ適切な運動プログラムを実施するためにも「健康運動実践指導者」や「介護予防運動トレーナー」資格があると働きやすくなります。

卒業生に聞きました

城 真汐さん

2021年ライフ・フィットネストレーナーコース卒業

2001年生まれ、大阪府立金剛高校出身。株式会社ビーナスが運営する半日型フィットネスデイサービス『ビーナスクラブ今川』運動スタッフ。オリジナルの集団体操プログラムの指導や高齢者向けのトレーニングマシンでの運動サポート、送迎業務を行う

これまでの道のり

本校入学前

小さな頃から運動が好きで、小学校からサッカーに親しむ。「ケガの復帰や身体のパフォーマンスアップを目指す人に何かしてあげたい」という思いからトレーナーの仕事に興味を持つ。履正社のオープンキャンパスに参加し、「うちはしっかり勉強できるのが強み」という教員の言葉が印象に残りライフ・フィットネストレーナーコースへの進学を決める。

本校での
学生時代

1年前期にパーソナルトレーナー、水泳、スタジオインストラクターなど様々な専攻分野を学ぶ。同じ頃、祖母のケガをケア、援助する機会を体験。このことがきっかけで福祉に興味がわき、1年後期から卒業までスポーツ福祉を専攻する。PHIピラティスMAT I&Ⅱ、日本コアコンディショニング協会ベーシックインストラクター、ViPR、健康運動実践指導者といったフィットネス関連資格や、救急法の基礎を習得する日本赤十字社ベーシックライフサポーターの資格を取得。

卒業後・
現在

卒業後はピラティスのインストラクターとして就職。グループレッスン、個人レッスンを担当する。その後、「学生時代に学んだスポーツ福祉の知識や健康運動実践指導者の資格を活かしたい」と、2022年9月に株式会社ビーナスへ転職。『ビーナスクラブ高鷲』での勤務を経て、現在は『ビーナスクラブ今川』で運動スタッフとして勤務する。


1日の流れを教えてください

10:00

朝は8時に出勤。朝礼時にその日のスタッフ配置や利用者の健康状況を確認する。その後、お迎えに出発。利用者が施設に到着したら、血圧や体温をチェック。10時に運動プログラムがスタート。

11:50

集団での運動プログラムのほかに、油圧マシンを使ったトレーニングをサポート。利用者一人ひとりの様子を見守りながら声掛けする。最後は全員で整理体操をして終了。

12:00

利用者を自宅へお送りし、そのまま午後の部のプログラムに参加する利用者をお迎えに行く。

16:00

ケアマネージャーに提出する計画書(1カ月間でどのような運動を行うのかを計画したシート)や実績表(利用者の通所記録やどんな運動を行ったか等を報告する書類)を作成。上司や同僚に業務の相談をすることも。18時頃に退社。


どんな人と関わりますか?

「上司や同僚とは、利用してくださるすべての方の身体状況や様子などをしっかり情報共有します。施設利用は介護保険が適用されるため、社外連携となるケアマネージャーが利用者様の健康状態を確認、情報管理しています。そのため、私たちスタッフはケアマネージャーに対し、運動プランを立案した計画書を提出したり、実績表で利用状況を報告したりする必要があります」


履正社での学びで、今、活かされていることは?

「人の身体の仕組みをきっちり勉強したことが、いろんな場面で活きています。解剖学は運動指導の際、『どこの筋肉がどう動き、筋力アップに効くのか』を説明するときに役立ちます。生理学の知識は看護師の同僚に利用者様の身体の不具合、たとえば『肩が痛い』といった状況を報告する際、『こういう状態なのかもしれない』と事前に予測する根拠にできます。また、生涯健康論という授業で高齢者が罹患しやすいサルコペニア(加齢による筋肉量・筋力低下)等について学び、今でも知識の確認のため学生時代のノートを読み返すことがあります。スポーツ福祉専攻のゼミでは様々な高齢者向けの運動指導や理論を学び、自分たちでプログラムも考案しました。すべての学びが、今の仕事に直結しています」


お仕事で大事にしていることは?

「笑顔です! 以前、少し体調が良くなかったとき、利用者の方に『大丈夫?』と心配されてしまったことがあって…。それ以来、私の笑顔が関わるすべての人の笑顔につながるから、と絶やさないよう意識しています。また、『忙しそうだから』と遠慮して声をかけてこられない方も中にはいらっしゃいます。そのため周りをしっかり見て、お一人おひとりの気持ちを汲み取って行動できることがこの仕事には大切です。運動中はスタッフ同士で冗談を言い合ったりするなど、笑いが起きやすい雰囲気づくりをします。笑ってエクササイズしていただくことで、運動する時間を少しでも楽しんでもらえたら、と思っています」

仕事のやりがいを教えてください

「『姿勢が良くなった』『杖を使わなくても歩けるようになってきた』など、身体の変化を話してくださるときが一番うれしいです。今後の目標は病気、疾病に関する知識をもっと勉強すること。運動指導に活かして、たくさんの利用者様のお役に立てるようになりたいです」

写真・文/履正社広報部
※肩書き、インタビューの内容は取材時のものです。

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