Referee
審判・レフェリー
働くところ
・スポーツ試合会場
ジャンル
・スポーツ
目指す資格
・レフェリー資格
(等級あり)
どんな仕事?
ルールに則って試合を厳密かつ円滑に進行・成立させる役割を担い、判定を下します。役割は主に3つあります。①ルールに則って試合を進行する②反則を取ったり、得点を認める③選手の安全を守る。多くの場合、レフェリーを務めるには資格が必要であり、等級ごとに受け持つ試合も異なります
どんな風に働くの?
各種スポーツの試合会場が主な仕事現場です。基本的には試合がある日に会場入りし、試合終了後に現地で解散します。また、プロとアマチュアによって働き方も異なります。プロの場合はフルタイムで活動することもありますが、アマチュアでは他の仕事と兼業しているケースがほとんどです。試合では体力や走力が必要なため、試合が無い日はランニングやトレーニングジムで身体のコンディションを整えます。
どんな知識、経験が必要?
審判を始めるにあたり、競技歴や学歴は不問ですが、戦術等も考慮しながら試合を円滑にすすめるため、選手経験があると習得がスムーズです。そのほか「メンタル」や「マインド」もレフェリングに大きな影響を与えます。自信を持って判定を下すことは必要ですが、時には、選手や監督からの異議に対して、毅然と対応することも求められます。一方で、試合の主役はあくまで選手であるため、「選手に気持ちよくプレーさせる」ことも重要です。選手の気持ちを汲み取る姿勢を持ちながらジャッジをする視点も、試合を進める上で大切です。
資格について
各競技のレフェリー資格の取得が必要です。資格は等級に分かれており、講習会での研修や実技検定等の結果をもとに付与されます。例えばサッカーの場合、国内外の大会においてトップレベルの審判員であるプロフェッショナルレフェリーは、1級審判員の中から選ばれた者が日本サッカー協会と契約を結びます。
卒業生に聞きました
渡辺 康太さん
2011年サッカーコース卒業
1990年生まれ、高槻北高校出身。プロフェッショナルレフェリー。本校在籍時より、レフェリーとして育成年代から大学・社会人リーグなどを経験。その後、Jリーグなどを担当し、2023年にはJFAからの推薦によりプロフェッショナルレフェリーとして契約。現在は、国内だけでなく国際大会の審判も務め、年間約50試合をこなす。
これまでの道のり
本校入学前
4歳からサッカーを始める。高校時代、練習試合で審判員を担当し、選手と異なる視点で試合を捉えることに魅力を感じる。将来、レフェリーになることを目指し、履正社専門への進学を決意する。
本校での
学生時代
サッカーの実技授業と2級審判員養成授業を受講。審判実践では、試合の様子を映像に収め、映像分析とともに振り返ることを大切にしていた。また、審判インストラクターと試合を観戦し、「あの場合はこういうジャッジをするといい」など、審判目線のアドバイスをもらい、後日実践に活かしていた。
卒業後・
現在
サッカー指導者や、会社員として働く傍ら、休日に審判員の仕事をこなしスキルを磨く。2023年2月からは、JFA(日本サッカー協会)所属のプロフェッショナルレフェリーとして国内外で活動。
1日の流れを教えてください
キックオフ2時間前
会場に到着し、レフェリー控室で準備を始める。県外での試合では、基本的にその土地で前泊することが多い。
キックオフ90分前
フィールドチェック(グラウンド状況の確認)や、その他の審判員と共有事項の確認を済ませ、マッチコーディネーションミーティングを行います。ここではタイムスケジュールの共有や試合の規定、そして最後に両チームのユニフォームの色等を確認します。
キックオフ40分前
ピッチに出て約15~30分間ウォーミングアップを行います。その後、一旦控え室に戻り、審判服に着替えます。
キックオフ~試合終了まで
選手たちがロッカーから出た後、メンバー表を持ち、試合登録メンバーやユニフォーム、用具チェックを行います。問題がなければ試合開始です。試合終了後、主審の場合は、公式記録の確認と審判報告書の記入をし、提出します。審判アセッサー(レフェリングを評価する人)からのフィードバックをもらう時間も設けられています。
どんな人と関わりますか?
「同じ試合を担当する審判団やVAR(ビデオアシスタントレフェリー)との連携は必須です。また、試合に出場するチームの選手や監督、レフェリングを評価する審判アセッサーともコミュニケーションを密にとっています」。
履正社専門で学んだことで、今活かされていることは?
「多角的な視点で判断する力です。審判目線で物事を見て判定することが主軸ではありますが、時には選手や監督目線、または観客目線に立って状況を判断することも必要です。在学中に実技授業で体感したことや、プロ選手や指導者を目指す仲間からの意見があったからこそ、様々な視点でプレーをみる力がつきました。これは駆け出しの頃から現在に至るまで活かされており、スキルの向上に繋がっています」。
お仕事のやりがいはどんな時に感じますか?
「サッカーに関わる仕事は多種多様ですが、『フィールドで選手とともに走り、選手と協力して試合をつくる役割』を与えられているのは審判員だけです。時には判定一つで試合の展開が大きく変わったり、結果を左右することにも繋がります。その分、責任の重さを感じていますし、大きな問題がなく無事に試合が終了した時には、達成感ややりがいを感じます」。
写真・文/履正社広報部
※肩書き、インタビューの内容は取材時のものです。
ダブル・ラーニング制度
「ダブル・ラーニング制度」は、学科やコースの垣根を越えて複数の専門分野を同時に学ぶことのできる、履正社独自の履修カリキュラムです。