Athletic trainer
アスレティックトレーナー
働くところ
・スポーツチーム
・整形外科、クリニック
・フィットネスクラブ
・スポーツセンター
ジャンル
・スポーツ
・医療
目指す資格
・日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)
どんな仕事?
スポーツ現場で働き、選手の健康管理やケガ予防の他、ケガをした場合の応急処置やその後のリハビリテーション、体力トレーニング、コンディショニングなどを行い、競技者をさまざまな面から支えます。
どんな風に働くの?
スポーツチームやアスリート個人と契約し、練習場や試合会場に帯同します。整形外科やクリニックで勤務しながらスポーツチームに派遣されるトレーナーもいます。ほかに大学のスポーツセンターに所属し、選手にケアやトレーニング指導を行っているケースもあります。
どんな知識、経験が必要?
スポーツ現場におけるケガの応急処置やその予防、アスリートの身体機能やコンディショニングについての知識、テーピング等の技術力も必要になります。経験豊富で規律を守り、コミュニケーション能力が高いトレーナーほど採用に有利とされ、契約年数も長くなります。
資格について
トップクラスのスポーツチームやアスリートと契約して活動する場合、多くのプロチームが採用の基準とする日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)の取得を求められます。この資格を取得するには、解剖学、スポーツ障害・外傷の基礎知識、スポーツ栄養学、リコンディショニングなど、さまざまな知識の習得が必要です。また、現場実習件経験も必須とされています。ほかに日本トレーニング指導者協会認定トレーニング指導者(JATI-ATI)、ファンクショナルストレングスコーチ(CFSC認定)といった、ストレングス系の資格も合わせて持っていると就職に有利です。
卒業生に聞きました
上野 優さん
2023年アスレティックトレーナーコース卒業
1999年、愛媛県生まれ。愛媛県立松山東高校出身。日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー。本校卒業後は愛媛県内にある整形外科に勤務する。24年7月、プロバスケットボールチーム「鹿児島レブナイズ」のアシスタントトレーナーに就任
これまでの道のり
本校入学前
小学生からバスケをはじめる。ケガやトレーニングを相談できる人が周りにおらず、アスレティックトレーナー(以下、AT)の仕事に興味を持つ。トレーナーの勉強がしたい気持ちがあったものの、いったん地元の国立大学の工学部へ進学。3年生の時、コロナ禍で大学へ通えなくなり、さらに研究室選びや就活準備を通して自分を見つめ直すことに。その結果、「やっぱりトレーナーになりたい」という想いが募り、2年でAT資格取得が目指せる履正社への入学を決意。
本校での
学生時代
ATコースに入学する。同級生は3学年下がほとんど。一方で理学療法士、柔道整復師として働きながら学ぶ社会人学生もいたため、年齢関係なく学び合う。実習先は履正社高校陸上部で、指導担当の部谷祐紀先生の元でトレーナーとしての基礎を学ぶ。学外で行われる陸上大会の見学実習等にも積極的に参加。学費を稼ぐため、アルバイトにも励む。
卒業後・
現在
愛媛県内の整形外科クリニックに就職。同年、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー資格を取得する。勤めて半年が過ぎた頃、県内の高校女子バスケットボール部のトレーナー活動もスタート。24年7月、大学時代に関わりがあったバスケットボール協会の知人の紹介で「鹿児島レブナイズ」のアシスタントトレーナーに就く。
仕事の流れを教えてください
8:50
練習会場に入り、他スタッフと一緒に設営準備をスタート。
9:00
選手が来たら、体重チェックやテーピングを行う。選手の自主練の補助も。
10:00
練習開始。ドリンクの準備や配布、モップがけなどのフロア管理を担当します。
13:00
練習終了後、会場を片付けてチーム事務所へ移動。ウエイトトレーニングを終えた選手の身体をケアします。各選手の疲労度等をチェックし、コーチに報告。この日は16時頃に業務が終了。
どんな人と関わりますか?
「主に治療を行うヘッドトレーナーと、身体を強化するS&Cコーチ、私の3名で選手をサポートしています。アウェイでの試合時はケアを優先しつつ、選手移動のサポートやロッカールームの準備といったマネージャーの仕事もお手伝いします」
履正社での学びで、今、活かされていることは?
「AT実習で、部谷先生からトレーナーに大切なことをたくさん学びました。まず、選手との距離感。友達みたいなのも良くないし、かといって距離感があると信頼関係を築けない。『適切な関係性の作り方』は、今も先生から教わったことを参考にしています。レブナイズのメディカルサポートは現在、経験豊富なヘッドトレーナーと新人の私が担当しています。選手はきっと、2人のトレーナーそれぞれに言いやすい、言いにくいことがあるんじゃないかと思うんです。どちらにでもいいので、彼らがいつでも話しやすい雰囲気、環境を作れたらいいよねと、トレーナー間で共有しています。ほかに、早くレスポンスすることも意識しています。スポーツ現場はスピードが大事なので、スタッフ間の報告や連絡はマメに、迅速に行います」
アスレティックトレーナーとして心掛けていることは?
「視野を広く持ち、選手の様子を見逃さないことです。複数の業務をこなしながらも、選手への目線は切らない。たとえばドリンクを作っているときでも、手元は動かしつつ急なアクシデントにすぐ対応できるよう、視線はコートに向けています。全体ミーティングで選手が監督・コーチの話を聞いているときも、手首を触っていたら『痛いのかな』と、あとでそれとなく確認してみることもあります。試合時は、もちろんプレーも見ますが、『そろそろドリンクや上着が欲しい頃かな』等、選手を確認しながら準備しています」
プロチームで働く醍醐味を教えてください
「選手たちのケアやトレーニングへの意識がとても高いことです。私はまだ経験が浅いので、身体について聞かれた際はまず、ヘッドトレーナーに報告して判断を仰ぎます。これからもっと経験を積んで、自信を持って自分の意見を言えるようになりたいです。ヘッドトレーナーが柔軟な方で、『チームの仕事で手伝えることはやる』『選手が必要とするなら、時間外でも可能な限りケアを対応する』というスタンスをお持ちです。私もチーム、選手のためにできることは何でもやりたい。今は一つひとつの仕事をしっかりできるようになるのが目標です。レブナイズは選手もスタッフも温かい方ばかり。このチームで働けて本当にうれしいです」
写真/倉科 直弘 文/履正社広報部
※肩書き、インタビューの内容は取材時のものです。
ダブル・ラーニング制度
「ダブル・ラーニング制度」は、学科やコースの垣根を越えて複数の専門分野を同時に学ぶことのできる、履正社独自の履修カリキュラムです。