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RISEISHA JOB ILLUSTRATED BOOK

RISEISHA仕事図鑑

Official Recorder

05

公式記録員

働くところ

・スポーツ競技場

ジャンル

・スポーツ

目指す資格

・公式記録員資格※

どんな仕事?

記録員(※以下「スコアラー」)は、競技の試合におけるプレーの記録をとり、報告する仕事です。野球であれば「打者が一塁に出塁した場合、それがヒットによるものか、エラーによるものなのか」などを判断し、専用のスコア用紙に記録します。審判員は試合進行に関するジャッジ(アウトかセーフ、ストライクなど)を行うのに対し、スコアラーの主な仕事は記録の判定(ヒットかエラー、ワイルドピッチかパスボールかなど)になります。


どんな風に働くの?

大会の規模や、所属する団体によって異なります。野球の場合、高校野球、社会人野球などプロ、アマチュア問わず様々な試合現場で記録を行います。ただし、NPBならプロ野球、高野連なら高校野球など、所属する団体によって担当する試合が異なります。また、NPBに所属した場合はスコアラー専任となりますが、そうでない場合、他の仕事をスコアラーの仕事を兼務する働き方が多くみられます。


どんな知識、経験が必要?

各競技のルール、基礎知識が必要です。経験を積んでいくことで規模の大きな大会でのスコアラーを担当するようになります。また現在、国際大会のスコアラーが不足しているため、英語を身に付けると大変有利です。国際試合では、様々な国籍のスタッフが集まるので、業務には英語が欠かせません。


資格について

野球の場合、特に必要な資格はありません。そのため、自身で競技ルールの知識を身につけ、講習会に参加し、紹介などを通じて試合を受け持つケースがほとんどです。一方で、ソフトボールのスコアラーになるには資格が必要で、第1種・第2種・第3種と等級も設けられています(※国により異なる)。まずは認定会に参加し、第3種の取得を目指します。

卒業生に聞きました

中村 風香さん

2015年野球コース卒業、2018年理学療法学科卒業

1994年、北海道生まれ。北海高校卒業後、本校野球コースと理学療法学科に内部進学。これまで国際公式記録員として野球とソフトボールの国際大会に数多く派遣され、2021年は東京五輪でも活躍した。現在、全日本野球協会所属の公式記録員として活動するほか、本校野球コースの教員も務める

これまでの道のり

本校入学前

小学生のとき、北海道日本ハムファイターズの試合観戦をきっかけに野球に惹かれる。高校時代、軟式野球部の監督に直談判し、チーム初の女子マネージャーを務めた。当時からスコアラー業務にやりがいを感じ、野球への知識を深めたいという一念で、本校への進学を決意する。

本校での
学生時代

野球コースではマネージャーとして活動しながら、各種大会・公式戦の運営にも参加。実際にスコアをつけ、外部のスコアラーからもフィードバックをもらうなど、現場で実践経験を積極的に積んだ。

卒業後・
現在

本校卒業後も、公式記録員としての活動を続ける。2018年に初めて国際試合を担当し、2021年には東京五輪に国際公式記録員として参加。本校でも講師として、後進の育成に力を入れてきた。


1日の流れを教えてください

試合2日前(※国際試合の場合)

開催地に移動し、現地で前泊。前日には大会スタッフミーティングがある。試合規定、メンバー紹介、ルール説明・タイムスケジュールの共有などを確認。メンバーは審判員、スコアラー、TC(テクニカルコミッショナー)で行われる。

試合開始2時間前

会場に入り、スタッフと自己紹介等を兼ねてコミュニケーションをとる。

試合開始~終了まで

試合に沿ってスコアをつける。国際試合ではスコアラーは3人体制で行う。投球・打者記録をタブレットでアプリに記録する者・打者記録を紙のシートに記録する者、投球記録を紙のシートに記録する者に役割分担される。試合終了後は、スタッフ全体で宿舎に移動。

試合翌日

試合動画と記録を照らし合わせて、フィードバックや意見交換のミーティングを行う。試合を担当したスコアラー3名と、別の試合を担当するスコアラーなども参加する。


どんな人と関わりますか?

「大会では、1試合あたり審判員(4人)・スコアラー・TC(テクニカルコミッショナー※海外での試合のみ)の3組で業務にあたります。また、打合せ時には、運営に関わる大会本部長などとも関わります」


履正社で学んだことで、今活かされていることは?

「プレイヤーと一緒に学ぶ環境だったことで、実際の野球現場の緊張感を体験する機会が多く、身を引き締めて学ぶことができました。身につけてきた知識やスキルを公式戦でたくさん実践してきたので、卒業後に担当した現場でも環境へのギャップが少なく、スムーズに溶け込むことができました」


お仕事のやりがいはどんな時に感じますか?

「責任の大きさを実感した時です。スコアラーは主に、ヒットかエラーかを判断して記録するので、試合結果に大きな影響を与えます。私たちの判断一つで試合の流れが変わったり、観客の大きな反応がみられたりすることもあります。グラウンド上に立つ審判員に比べて存在感は薄いですが、試合の裏方で記すスコアの一つ一つが貴重で、とてもやりがいを感じます」

文/履正社広報部
※肩書き、インタビューの内容は取材時のものです。

ダブル・ラーニング制度

「ダブル・ラーニング制度」は、学科やコースの垣根を越えて複数の専門分野を同時に学ぶことのできる、履正社独自の履修カリキュラムです。

オリンピックやWBCで活躍する記録員を目指す

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